「賃金が上がらない、成長できない、競争力の弱い国」の「失われた30年」。始まった国会論戦で日本共産党の志位氏は日本経済をここまでもろく弱い経済にした自民党政治の責任を追及した。使い捨て労働を蔓延させた規制緩和、社会保障費削減と消費税増税による大企業・富裕層の利益偏重政策の転換を迫った。
「日本再生のためのプランB」の著者・兪炳匡(ゆう へいきょう)氏によれば、海外に流出した日本の自然科学系研究者の60%は女性の研究者で、彼女たちが日本へ戻らない最大の理由は日本国内の女性差別・セクハラだという。「失われた30年」は根が深い。1月の相談のうち3割はパワハラ・セクハラだ。これも後進国日本の象徴だ。
配送業で働く50歳の男性からの相談。上司、従業員からのパワハラで耳の病気になった。医師の診断書をもらって配置転換を要求したが、他のミスを加えて1年間仕事を取り上げられボーナスもカットされた。産業医も絡んで退職に追い込まれそうだ。まともに話も聞こうとしないやくざな経営者を相手に何ができるかという相談だ。雇用者責任を明確にして因果関係を立証して交渉する余地はあると答えた。
65歳の女性ヘルパー。人数不足の職場で多忙、小さなミスもあるが担当の上司の言葉がきつく辞めたいと思う。これはパワハラではないかという相談。「あなたがパワハラと思えばパワハラです」と答えた。「辞める必要はない。録音するなどして雇用主に訴え担当を変えるなどを要求しなさい」と答えた。「そうします。すっきりしました」という返事。
人間らしく働ける職場を壊してきた規制緩和、差別をなくすための粘り強い連携が欠かせない。