NECディスプレイソリューションズ(株)から解雇され、復職を求めて伊草貴大さんが闘ってきた裁判で、12月23日に「地位を確認する」勝利判決を勝ちとりました。
会社の言い分を断罪
この争議は、ハラスメントによって伊草さんが適応障害を発症したところ、会社は「適応障害は本人の発達障害に起因する」と一方的に決めつけ、病気が治癒したにもかかわらず、休職期間満了を理由に解雇したものです。
裁判で会社は、適応障害が治癒していることを否定できず、復職させなかった理由を「コミュニケーション能力の不足」、「何らかの病気」などと変えるなど、苦しい言い訳に終始しました。
判決では、休職理由となった病気とは別の事情を理由に、休職期間満了により自然退職とすることは、「解雇権濫用法理の適用を受けることなく、…雇用契約の終了という法的効果を生じさせるに等しく、許されないというべきである」と厳しく断じています。
近年、労働者のメンタル疾患が増えていますが、安全衛生の確保義務がある企業などが責任をとらず、労働者に責任を転嫁して「休職期間満了」で解雇する事例が起きています。こうしたことに歯止めをかけるうえでも、今回の判決は重要なものです。
一日も早く職場復帰を
判決は、原告側の主張が認められず不十分な点もあります。今後については、協議し決めることとしています。
判決日の夜の「勝利報告集会」で伊草さんは、「2年11か月は長く、不安もあったが良かった。同じように苦しんでいる方を救うことにもつながる」と述べ、休職制度の悪用を許さないことや、障碍を理由にした差別を許してはならないことなどを訴えました。
最後に「ここからが勝負。一日も早く職場復帰するために、今後も全力でがんばりたい」と決意を表明し、支援者から大きな拍手が送られました。