毎年、様々な団体が結集して実行委員会を構成し、神奈川県行政に対する要求書を共同で作成して提出し、分野ごとに一斉に交渉を行っています。神奈川労連が中心となって「労働分野」の交渉が、11月18日に行われました。
三菱電機のひどい状況
大企業のリストラにかかわって、鎌倉の三菱電機で10年以上にわたって4畳半の空調もない部屋に閉じ込められ、退職強要を受けている女性労働者の実状を、電機情報ユニオンの仲間が告発。
「トイレに行くにも総務課に連絡し鍵を開けてもらう必要があるという、ひどい人権侵害が行われている」と述べ、「県として調査をしていただきたい」と求めました。県は「報道は承知しているが、詳細を把握し対応を考えたい」と回答しました。
県自らの責任を問う
県自らがかかわる課題についても交渉。指定管理者制度においては、コロナ禍対策を指定管理施設で行うために管理料を40億円ほど増額し、減額した施設は無いとの回答がありました。
その際に問題になっているのが、休館などによって労働者を休ませた時に、賃金を全額支払わず休業手当分しか払っていない管理者があることです。「実態を承知していない」との回答でしたが、「県の調査において休業手当分しか支払っていない事業者があると明確になっている。すべて調査して賃金が全額支払われるよう対応すべき」と強く求めました。
県職員の長時間労働については、「コロナ禍」と言い訳しつつ、月100時間超の残業を行っている職員が一定数いることを認めました。平時から「残業ありき」の職員数になっていることが問題であることを指摘し、非常事態にも対応できるよう抜本的な増員を要請しました。
今後も残る課題
特区を活用し県自ら推進している「家事支援外国人受入事業」については、受入企業における外国人労働者の解雇・雇止めや失踪が問題になっている点を正しました。
「監査ヒアリングを行い必要に応じて追加の報告を受けている」の回答でしたが、実態は不透明なままです。また、「事業によって女性活躍が進んだ」との回答があり、根拠の数字も示さず「成果」と言う県の姿勢を追及していく必要があります。課題が多く、やり取りが十分できなかたことから、別途、交渉することを検討していきます。
上の写真↑県当局(手前側)と交渉する組合の仲間