神奈川県社保協は、11月13日に全県国保改善交流集会を開き、会場とオンラインで60人以上が参加しました。
県と市町村が連携して
神奈川自治労連の神田委員長が「コロナ禍での市町村国保、現状と改善方向について」と題して講演。
コロナ禍での受診抑制で医療費支出減もあり、「多くの自治体の国保会計で基金の積み立てが増加しており、国保財政として保険料の負担軽減に活用できる」と述べました。
「子どもの均等割の軽減」について、国が22年度から半分を未就学児に限り公費負担するとしましたが、全国知事会・市長会・町村会から「『子育て世帯の負担軽減』というなら最低でも中学生まで認めるべきだ」との意見が出されていることを紹介。18歳まで均等割の全額減免を始めた大井町は、積み立て基金を活用していること、「中井町や清川村は子育て世代の移住を促すために軽減制度を実施している」と話しました。
国が圧力・誘導を強めている「一般会計からの法定外繰り入れの減額」は、「決算補填等目的」であり、「県としてはそれ以外の法定外繰入の削減は求めていない」と述べ、県と市町村が連携しての、保険料の軽減を求める運動を呼びかけました。
成果・前進
県社保協の根本事務局長は、県内市町村の国保調査の結果を報告。国保被保険者の半数は、60歳以上の高齢者、単身世帯、低所得者と、厳しい実態を紹介しました。
保険料については、22自治体で引き下げや据え置きの努力があったと述べ、「子どもの均等割」について、中井町に続き、箱根町、大井町と清川村で減免を開始したことを強調しました。
また、保険料滞納者への短期保険証、資格証明書の交付については、横浜市、平塚市に続いて、小田原市が「交付しない」ことになり、全県的な交付率も低下し、画期的な前進との評価をしました。しかし一方で滞納取り立て、差し押さえは強化される傾向となっています。
全県的な運動を
質疑応答、討論ののち、県社保協医療保険改善委員の中屋氏が運動の方向について、以下の提起をしました。
- 国保の都道府県単位化推進に対し、各自治体で学習し実態と問題点をつかみ、後退を許さず改善させる。
- 差し押さえ処分の強化に対し、生活実態を踏まえた丁寧な対応や、支払い能力のない滞納者について滞納処分の「執行停止」措置を求めていく。
- 子どもの均等割減免を、若い世代の要求に基づく運動として、多くの団体と力をあわせて、全県的な運動にしていく。
上の写真↑講演した自治労連の神田委員長