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2021年9月3日

「公的責任を放棄した社会保障の改悪」シリーズ 政治とわたしたちのくらし・仕事

 前回は消費税についてでしたが、今回は消費税の導入や増税の理由とされた「社会保障」について考えます。

 自民・公明の歴代政府は、「財政が厳しい、社会保障を充実させるために消費税の導入・増税を」と言ってきました。しかし、この言い分が間違っています。日本国憲法の趣旨からすれば、本来すべての税金は最優先に社会保障や福祉に使われる必要があります。「他のことに使ってしまって、足りないから国民に増税する」というのは本末転倒です。

「自己責任」を強要

 しかも、多くの皆さんも知っている通り、消費税が導入・増税されても、社会保障は充実されるどころか、逆にドンドン改悪されているの現実です。表は若干古いものですが、安部政権発足以降の13年からコロナ禍前までの19年の7年間における、年金・医療・介護・生活保護のなど社会保障費の削減をまとめたものです。4・3兆円も削られています。20・21年度にも社会保障の改悪は強行されています。根底には、菅首相が言う「自助」、「自己責任で何とかしろ」という公的責任を放棄した、新自由主義に基づく政策があります。

所得保障と現物給付

 憲法25条の「健康で文化的な生活を営む」ことは国民の権利です。

 これを実現するため、今の日本社会においては、一定の所得を保障する必要があります。労働者では最低賃金ですが、アクシデントや高齢によって働けなくなった時の保障が、年金と生活保護(名称を生活保障制度に変更すべき)です。この間、どちらも次々と改悪されてきていますが、これはすべての国民・労働者の生活保障を破壊するものであり、許されません。

 もう一つは、コロナ禍で重要性が明らかになっている現物給付による保障です。医療や介護、福祉など困難を抱えた人をサポートする体制がなければ、国民の命・健康・くらしを守ることはできません。コロナ禍で医療が必要な人すべてに行き渡らない事態が起こっていますが、原因は社会保障の体制を改悪してきた今の政治にあります。

 人権としての社会保障制度を確立し、誰もが健康に安心して暮らせる社会をつくるために、きたるべき総選挙で政治を変えることが必要です。

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