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労働相談コラム

2021年6月8日

労働者保護のルールが必要

 労働条件の不利益変更の相談が増えている。

 市から指定管理者制度で委託をうけているスポーツ施設で働くパート労働者からの相談。今までパート労働者としてプールの監視や水泳指導を担っていたが、昨年9月に「水泳指導員は業務委託になる」と突然の通告。4月以降の業務委託契約書にサインをするように言われとのこと。業務委託だと労災適用にならないなど、「納得できない」と労働相談センターに相談してきた。

 さっそく地域労組に加入して業務委託会社と団体交渉を行い、「今までどおりパート労働者として雇用を続ける」ことを約束させた。またスポーツ施設を運営している市は公契約条例を制定しており、労務単価の下限が時給1059円と定められているのに、パート労働者の賃金は県の最低賃金の1012円であった。交渉で、その差額分を2年間遡ってすべての労働者に支払わせることができた。

 自治体は税金をつかって業務委託を受けた会社に業務委託料を支払う。市民プールなどの公共施設は市民が利用する公共の財産である。当然そこで働く労働者の労働条件もそれにふさわしい内容でなければならない。公契約条例で、賃金の最低限度の基準を設けているのもそのためである。

 今回のパート労働者としての労働契約を業務委託契約に変更することは労働契約違反であり労働条件の不利益変更になり労働者の同意なくてはできない。

 最近、実態は労働者なのに労働法の適用と社会保険の適用を逃れるため業務委託契約、個人請負などでの働かせかたが増え、相談も多い。労働者保護のルールづくりが必要である。

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