挙式4か月前に自宅マンションで自殺した、東芝デジタルソリューション社の青年労働者は、長時間労働が原因だとして川崎南労働基準監督署で労災が認定された。一般紙にも詳しく報道されている。
婚約者に「ごめん」とだけメールを送り自殺した労働者のご両親は「仕事が原因としか思えなかった」として、労基署に労災認定を申請していた。
「東芝の職場を明るくする会」にもホームページを通じて協力の依頼がきていたのだが、ご両親と距離的に離れていることもあって十分なことはできなかった。しかし労災認定によって終わりではなく、会社に対して再発防止や損害賠償の要請書を提出しているので、今後とも協力していきたい。
電機の職場では他に、三菱電機で自殺・過労死が相次いで労災認定され、社長や関係役員を処分するという事態になっている。
また、ソニーでも18年1月に急死した労働者は過労死であるとして三田労働基準監督署が労災認定をした。この労働者は海外赴任で月に265時間も残業しており、弁護士は「海外赴任では労働時間管理も不十分だ。国内と同様に規制を設けるべきだ」と指摘している。
過労やパワハラが自殺につながったとしての労災申請は、毎年200件ほどあるが、認定されるのは半数に満たないそうだ。
最近、いのちと健康を守る神奈川センターから、中野淑子さんの「あなたの大切な人を守るために」という本を紹介された。過労死防止法実現のために永年苦闘された記録である。14年6月に成立した「法」の意義は大きく、様々な過労死防止対策が国や自治体の責任で実施されることとなった。しかし、前述したように現実に過労死は減っていない。さらなる取り組みが求められている。