神奈川労連は「21国民春闘方針」で、「働く仲間を労働組合に」迎えることを最重点とすることを決定しています。幸先を切るように、県医労連では1月14日に新組織「かがみ田苑労働組合」が結成されました。組合員数は現在6人。さらに仲間を迎えようと意気高くスタートしています。
人件費を削減
「かがみ田苑」は、横須賀市の外郭団体である横須賀市福祉事業団が、市から事業を請け負い、障がい者支援事業を展開している事業所です。
横須賀市福祉事業団は、横須賀市から事業の指定管理者に指定され、市からの指定管理料を基に事業運営を行っています。しかし、採算が取れない赤字事業までも平然と引き受け、財政状況が悪化。
発生した赤字の補填をするために、職員の一時金・業務調整金などの削減を一方的に強行し、また、決められている人員配置を守らないといった行為が続けられてきました。さらに、人件費削減ありきの経営改善計画書を市に提出するなど、経営責任をまったく果たしていません。
話し合いのできる関係を
こうした状況を何とかしようと、施設職員同士で話し合い、人員を増やすことや予算要望をまとめ、事業団や施設の事務局長に直談判してきました。しかし、職員の真剣な願いに耳を貸さず、逆に、かかわった職員の異動をほのめかしたり、要望書の受け取りを拒否するといった態度を示してきました。
「現場職員の声を聞いてほしい」、「話し合いのできる関係と環境をつくりたい」と県医労連に相談が寄せられ、組合結成の準備を進めました。
当初は職員有志が医労連の個人加盟組合に加入し、地域組織である横三労連とも連携して、団体交渉を行ってきました。交渉では、事業団の未来と利用者さんのことを真摯に考えている職員の気持ちを伝え、今後の予算・方針づくりを職員とともに進めることを要望しました。
収益によって手当てが削減させる仕組みの見直しが回答されるなど、風通しの良い職場づくりへの一歩を踏み出しました。さらに、要求を前進させ、より良い職場にするため、組合結成を決意しました。
仲間が増えて嬉しい
執行委員長となった岩永さんは「事業団に対し要求・交渉してきましたが、職場の労組が必要だと感じ結成に至りました。結成にむかうなかでの働きかけで、仲間が増えてくれたことが嬉しい。市から事業団に指導は入っていますが、経営陣の意識までは変わっていない。意識が変わるようにがんばりたい」と、結成にあたっての決意を述べています。