神奈川労連

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トピックス

2020年11月12日

首相はかわったけれど…、もっとヒドくなる危険「選挙で政権を交代し、要求の実現を」

 衆議院議員の任期満了まで1年をきり、年内・年度内にも解散総選挙が行われる予測も出ています。神奈川労連は9月の第36回定期大会で、労働者・労働組合の要求を実現するために、総選挙を積極的に闘う方針を確立しています。国政において実現をめざす主な要求を紹介します。

Ⅰ 雇用を守れ、賃金をあげよう

増えたのは非正規雇用

 コロナ禍によってすでに多くの非正規雇用労働者などが解雇され、大企業においても大規模な人員整理が発表されています。いま国の政治に求められるのは、何よりも労働者の雇用を守ること、失業を余儀なくされた労働者の暮らしを支えることです。

 安倍政権は、「雇用が増えた」ことを成果と自慢してきましたが、増えたのは非正規雇用労働者であり(下グラフ参照)、権利が弱いためにコロナ禍で一気に雇用が奪われる事態になっています。

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 神奈川労連は、労働法制の改正などにより、非正規雇用労働者の権利拡充を進めること、そもそも特段の理由がない限り非正規雇用を認めない規制強化を求めています。

最賃は政府が決められる

 賃金など労働条件も大きな課題です。安倍政権のもとで株価や企業の役員報酬、株主配当金は大きく増えましたが、労働者の実質賃金は減少しています。賃金・労働条件は基本的に労使の交渉によって決まりますが、政府が関与できることも少なくありません。代表的なものが最低賃金です。最終的な決定権者は厚労大臣であり、やる気があれば最低賃金を大幅に引き上げることができ、賃金の底上げを通じた賃金全体の上昇をはかることが可能です。

 また、全国一律の最賃制度は、まさに法改正など政治の役割が必要です。今年の最賃改定にあたって、安倍政権は抑制方針をとり、全国平均でわずか1円の引き上げにとどまりました。政策を継承する現政権も期待できません。政権を交代し、最賃大幅引き上げ・全国一律制度の確立の実現をめざします。

Ⅱ 税金の集め方・使い方を変えよう

「国民のために働く」⁉

 菅首相は国会で「国民のために働く内閣」と表明しました。当たり前です。それ以外に内閣・政府の役割があるというのでしょうか。それともこれまでは「大企業のために働く内閣」だったのでしょうか。「国民のため」というのであれば、税と社会保障のあり方が問われます。税の集め方・使い方が政治の基本であり、国民の命・くらしを守ることが最優先の役割だからです。

  庶民増税と軍事費増大

 しかし、この間の税の集め方は、消費税増税で庶民から搾り取り、大企業・富裕層には大規模減税を行うという「国民のため」とは真逆なやり方でした。使い方でも、消費税増税の理由にされた社会保障は次々に削られる一方、軍事費は増大し続け、米兵器の爆買いなどを行っています。この政策の中心にいたのが菅氏です。しかもさらなる消費税増税まで言及しており、まったく期待できません。

格差と貧困が拡大

 国民の多くが「社会保障の拡充」を政府に期待しています。コロナ禍によってますます要求は強まっています。しかし、安倍自公政権は、医療や介護、福祉などの制度を改悪し続け、結果、コロナ禍への対応が極めて困難になる事態が起きました。

 また、年金や生活保護が連続的に改悪され、国民生活が悪化するとともに、格差と貧困の拡大で社会の持続可能性すら脅かされています。菅首相は、この事態に反省することなく、さらに新自由主義政策を強行するために、竹中平蔵氏などを登用しています。国民を苦しめる政策を抜本的に転換するには政権を交代させる必要があります。

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Ⅲ 憲法どおり民主的社会を

 安倍政権は、7年8か月の在任期間中に、数々の違憲立法、民主主義破壊、違法行為を行ってきました。

安倍政権のしてきたこと

 歴代の自民党政権でも「違憲」としてきた「集団的自衛権の行使」を、憲法・法律の解釈を行う内閣法制局長官をすげ替えてまで閣議決定し、引き続いて憲法9条に違反する「戦争法(安保法制)」を、多くの国民の反対を無視して強行しました。一連の違憲立法により、「立憲主義」が破壊され、「法による統治」が揺らいでいます。

 また、「森友・加計疑惑」や「桜を見る会」では、公文書が改ざんされ、官僚機構が忖度・腐敗している実態も明らかになりました。菅首相も就任早々、学術会議の会員任命を拒否する違法行為を行い、「学問の自由」を破壊しようとしています。

主権者の責務

 憲法や法律に違反することを平気で行い、政権の気に入らない者を排除するやり方は、立憲主義・民主主義と相いれない、独裁政治そのものです。戦前と同様に、戦争につながりかねない危険な体制です。

 憲法に基づく、誰もが個人として尊重され、平和に生きる社会を実現することは、労働者の権利・労働条件を守り前進させるための大前提です。日本社会のより良い発展のために、主権者の責務として「投票」権を行使することが極めて重要になっています。

安倍政権の違憲立法、庶民増税、疑惑のごく一部

 ○特定秘密保護法の強行(2013.10)
 ○消費税率8%への増税(2014.4)
 ○集団的自衛権行使容認閣議決定(2014.7)
 ○戦争法(安全保障関連法)強行(2015.9)
 ○「森友・加計疑惑」発覚(2017)
 ○「桜見る会」問題の発覚(2019)
 ○消費税率10%への増税(2019.10)

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