これまで、神奈川労連、年金者組合、生活と健康を守る会、県社保協の4団体で『25条共闘』をつくり、国民の最低限保障(ナショナルミニマム)の実現をめざしてとりくみを進めています。
この間、「年金引き下げ違憲訴訟」と「神奈川生存権裁判」がそれぞれ横浜地裁に提訴されたこともあり、最低賃金裁判とあわせて裁判の勝利をめざすとともに、運動の交流と協力共同の強化、とりくみの前進をめざす「25条集会」を12月18日に開催し、87人が参加しました。
それぞれの裁判の争点や状況について弁護団が報告。いずれの裁判も政府が様々な誤魔化しを行って、年金や生活保護水準の削減、最賃の抑制を強行していることが明らかになり、国民の最低限の所得を確保するために、それぞれの闘いが重要であることが浮き彫りになりました。
全国の見本となって
宇都宮健児弁護士が、「貧困・格差の広がりと三つの裁判闘争の意義」と題して講演。資料や新聞報道を示しながら、貧困が深刻な状況になっていること、一方で大企業や富裕層に富が集中している状況を解明。また、これを助長するように社会保障改悪や労働法制改悪が行われており、「実質的に憲法25条が空洞化され、破壊されている」と批判しました。
問題を解決するために、最低賃金の大幅引き上げや社会保障を充実することの重要性を述べ、同時に富裕層や大企業に対する課税の強化を強調。宇都宮弁護士も加わって「公正な税制を求める市民連絡会」を発足させたことを紹介しました。
そして、「神奈川で三つの裁判が闘われ、しかも共同しているのは素晴らしい。全国の見本となるような運動を構築してもらいたい」とエールが送られました。
三つの裁判の原告4人が発言。「今でも本当に苦しい生活。自分だけの問題ではないとの思いで原告になった」などと語り、支援を訴えました。
最後に土志田・年金者組合委員長が閉会あいさつし、「画期的な集会を開くことができた。これで終わりでなく、とりくみを発展させていこう」と呼びかけました。